新緑の輝く季節になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
5月といえば、待ちに待ったウェーサーカ祭。
お釈迦さまの誕生・成道・般涅槃という三大聖事を祝う、世界的なお祭りです。日本では「花祭(はなまつり)」「灌仏会(かんぶつえ)」「仏生会(ぶっしょうえ)」などとも呼ばれ、いずれも春を表す俳句の季語になっています。
今年は残念ながら、会場にみなさまと集まって一緒にお祭りすることは叶いませんが、“STAY HOME”を徹底するゴールデンウィークを利用して、スマナサーラ長老のご法話に触れ、仏教への理解をさらに深めてみる、というのはいかがでしょうか。
そこで今回は、インターネット上に掲載されている数々の法話の中から、過去のウェーサーカ祭でお話されたものをご紹介申し上げたいと思います。
僭越ながら、ピヨピヨ仏教徒による感想も添えさせていただきましたので(お目汚し失礼!)、よろしければお付き合いくださいませ。
1:【YouTube動画】2007年5月12日 ウェーサーカ祭ご法話 @ゴータミー精舎
パーリ小部ウダーナ2ムチャリンダ品2(udaana2 mucalinda-vagga2)より、「世における欲望の安楽も、天におけるこの安楽も、渇愛の滅尽という安楽の、十六分の一にも値しない」という偈を引用して、スマナサーラ長老がお釈迦様の教えの素晴らしさを力説されています。
「他人のことを考えると、たちまち自分の幸福が壊れてしまう」「日常の楽しみは否定しないが、それでは小さ過ぎる」など、個人的に耳が痛いこと痛いこと・・・
「だから、仏道にもうちょっと自信持って頑張ったほうがいいんじゃないかなと思います」というお言葉に、ただただ頷くばかりです。
2:【YouTube動画】2013年4月7日 名古屋初期仏教デー花まつり法要ご法話 @日本ガイシフォーラム
タイトルは、「脳がつくりだす欺瞞・幻覚・物語を乗り越え、こころの安らぎに達するブッダのプログラム(花まつり法話)」。
スマナサーラ長老は、仏道を歩んで得られる安らぎについてお話されたうえ、その安らぎに初めて達したお釈迦様こそ、「人間にとって、唯一模範になる、大事になる存在なんです」と説かれます。
そして、お話の後半に、「こういう祭りをやるのはブッダに帰依するためなんです。では、帰依って何でしょうか?」と問いかけられます。この答えに、私は、なーるほど!と、思わず膝を叩いてしまいました。
3:【Twilogメモ】2008年5月25日 ウェーサーカ祭ご法話 @ゴータミー精舎
https://twilog.org/jtba_talk/date-180526/asc
動画はもう見てるよ、という方は、協会のTwilogをご覧になってはいかがでしょうか(Twilogとは、Twitterをblog形式にしたもので、ご法話をメモ形式で読むことができます)。
どのような心で功徳を積み、廻向をしていけばよいのか・・・そんな忘れがちな心得を、スマナサーラ長老がシンプルに教えてくださいます。
「日本でよくある、他人の悲しみを一緒に悲しむ、というのはよくないんです」というお言葉は、個人的にガツンと響きました。新型コロナウィルスに関するニュースを見聞きするたび、一緒に悲しんでいる自分がいたからです。反省、反省。
4:【Twilogメモ】2018年5月26日 ウェーサーカ祭の比丘サンガお布施式ご法話 @ゴータミー精舎
https://twilog.org/jtba_talk/date-181018/asc
こちらもメモ形式。法話の全部は掲載されていないのですが、お話のエッセンスに触れることができます。
「生命は業の正しい使い方だけではなくて、誰一人もその“充電手段”を知らないのだ」と前置きされたうえ、お釈迦様の説かれた正しい充電手段をご教示くださるスマナサーラ長老。長老がお示しになる例えは、いつもわかりやすくてインパクト大。一発で心に入ってくるような気がいたします。
5:【YouTube動画】2019年5月12日 釈尊祝祭日ウェーサーカ祭ご法話ビデオ @なかのZERO小ホール
最後にご紹介するのは、昨年のウェーサーカ祭会場で上映された記念ビデオ。スマナサーラ長老のご登場はなく、法話が文章の形式で流れていく動画です。タイトルは、「Happy Wesak Day!【佛紀2553年ウェーサーカ祭記念ビデオ】五蘊の観察――慧の修習(スマナサーラ長老の法話より)」。
五蘊(ごうん)については、以下の協会HPに解説記事を見つけましたので、合わせてご参照いただくとよいかもしれません。
https://j-theravada.net/world/keyword/keyword-08/
ギュギュっと濃縮された内容ですが、穏やかなBGMとともに、ゆったりした気持ちで学べるのではないでしょうか。
つくづく実感しますのは、10年以上前のご法話であっても、まるで今この瞬間に語られているような新しさと発見がある、ということ。
改めて、お釈迦さまの偉大さに胸が震える思いがいたします。
そんなお釈迦さまの三大聖事を心から寿ぐとともに、お釈迦さまの教えが現代も息づいていること、その教えを守り伝えてくださる僧団がいらっしゃることに、ありたっけの感謝と祝福を捧げたいと思います。
サードゥ、サードゥ、サードゥ!
ーおわりー