2025年8月 満月の夜開門レポート

みなさま、こんにちは。

8月9日(土)は、17:00~21:00まで満月の夜の開門でした。また、熱海仏法学舎の瞑想合宿に合わせて、9日から15日までゴータミー精舎でも瞑想実践会が開かれています。

17:00から、熱海よりスマナサーラ長老の読経の中継が入り、大画面で視聴しながら、ゴータミー精舎でも一緒に読経と立つ瞑想5分、座る瞑想30分、をみんなで実践いたしました。

その後は各々、瞑想実践を続ける方、お茶を飲んで少し休憩なさる方、いろいろでした。果物やお菓子のお布施があって、実践を後押ししてくださったことと思います。

さて、19:00からは「パティパダー・バックナンバー読書会」です。3Fにてプンナ師を含め15人がご参加くださいました。

今月の教材は2014年12月号の巻頭法話「彼岸此岸の物語と事実」です。ダンマパダ385偈をスマナサーラ長老がご解説くださっています。みんなで輪読し、感想などを話し合いました。

前半は、一般社会における先祖供養文化の歴史などの解説があり、『人々が自分の文化を大事にすることも、次の世代に伝えることも、とても大切な役目です』『先祖供養は「私たちが信頼できる立派な社会人である」ということを表すのです』と、私たち在家の生活の中で、先祖供養を大事に位置づけることを教えてくださっています。

それに関連して、日本でスマナサーラ長老がご説法を始めてくださり、それを聴く数人の方々が現れ、先輩方は試行錯誤しながら今の協会やパティパダーを作ってくださった。先祖もそうだけれど、先輩たちのご苦労、ご尽力にも感謝しなければいけない、という参加者のお話もありました。

盛り上がったのは、お盆にまつわる思い出や風習、幽霊話などです。夏ですから! 参加者の方もプンナ師も、さまざまな地方の先祖供養の仕方や盆踊りなどをご紹介くださいました。そのなかで面白かったのが、子どもの頃に見た紀州の山奥の盆踊りのお話。音楽はなく、無言で、墓地で静かに踊るのだそうです。

プンナ師は幽霊などの話の中で、「蛇縄麻(じゃじょうま)」という言葉を教えてくださいました。暗いところで蛇だと思って恐怖したが、よく見たらそれは麻で編んだ縄だった、という喩え話です。見て聞いて認識したものが本当のことかどうか分からないので、何か正体の分からないものを見たりしたら、確かめた方が良いと。また、「人間である私たちには、餓鬼(幽霊)は他人ごとではない。だって人間も物事を『ある』と思って妄想して生きているのだから、同じです」というプンナ師のお言葉が、心に沁みました。

ご法話の後半は、急にグッと難しくなります。『「この世」とは、自分自身のことです』というパワーワードが出てきます。眼耳鼻舌身意が、この世です。そしてそれに触れる色声香味触法が、あの世です。それで『私がいる』という錯覚が起きます、と。

プンナ師は、「私」がいるから「私の親」「私の子」という執着が生まれる。こういうご法話を聴いたりヴィパッサナー瞑想をして自己観察をしたりすると、「私」という気持ちが少しずつ薄れてきて、(執着ではなく)軽く先祖を大事にすることができる、とお話しくださいました。

子どもの頃から、文化の中であるのが当たり前のように教えられる「この世、あの世」も、お釈迦さまにかかると神秘的なことは微塵もありません。この世(眼耳鼻舌身意)が無常ならば、あの世(色声香味触法)が無常ならば、「あの世を知っている」という言葉が当てにならない主観であるならば、この世もあの世も実在しないことになるのです、と。

とても興味深い話題でしたし、みなさまのいろいろなお話が聴けて、お陰様で楽しい読書会になりました。ありがとうございました。

21:00まで瞑想実践に励む方もいらして、8月の満月の夜もみなさまそれぞれに徳を積んだことと思います。サードゥ!サードゥ!サードゥ!

次回予告

次回の「満月の夜の開門」は、9月8日(月)17:00~です。どうぞよろしくお願いいたします。

この日の菩提樹様。青々と、風に揺れていました。

生きとし生けるものがしあわせでありますように。

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