秋の香りの中のカティナ衣法要

道行くたびに落ち葉が舞う姿があちこちで見られるようになりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
秋のやわらかな陽ざしのなか、去る2020年11月8日、ゴータミー精舎にてカティナ衣法要がとりおこなわれました。本来ならたくさんの人でお祝いするカティナ衣法要ですが、コロナの影響のため、雨安居入り法要と同様に、今年は通常より縮小した内容でおこなわれました。

YouTubeにて法要は配信しておりますが、今回は、YouTubeに映っていない法要準備の様子などをお伝えしたいと思います!

◆事前準備

準備は法要の日の少し前に行われる会議から始まります。
zoomによる有志の会議により、法要の準備について段取りをしていきます。今年は縮小した内容での法要につき、参加人数、食事の用意、カティナ衣の準備についてなど、よりよく法要ができるように、中継でも法要が身近に感じてもらえるように、話し合いを重ねていきます。


話し合いの中では、意見がまとまらないこともたびたびありますが、お互いの話をよく聞き、理解し、そのうえで最善策を判断していきます。そういった意見の相違の際に、相手の意見をつぶすことなく、言葉を選び、配慮して、相手を尊重しながら意見交換するように会議参加者が努力していることに、仏教的なつながりを毎回感じます。

ある程度の段取りを会議で決めてから、実際の準備にとりかかります。準備はたいてい法要の前日におこない、数名で本堂の飾りつけ、法要のテーブルセッティング、食器の準備などをしていきます。

玄関も仏旗で飾りつけします。
お釈迦さまも衣をお召しになります。

毎回、法要を何度も行っている先輩方が手際よく、作業を進めていってくださいます。通常ならたくさんの人でにぎやかにおこなわれるのですが、今回は少人数で静かに作業がおこなわれました。しかし、そんななかでも、いつもの法要と同様に、にこやかで、穏やかな雰囲気の中、準備が進められていきました!

◆当日

早朝から準備が始まります。朝7時くらいには食事の準備の方々がすでに精舎で準備を始められていました。今回はお坊さまが6名いらっしゃるので、食事も雨安居入り法要よりは多めに用意していきます。コロナの状況下ではありますが、いままでの法要のように、和やかに作業が行われ、マスクをしていても笑顔でニコニコと嬉しい気持ちで作業をされていることが、カティナ衣法要のために準備したすべてのものから伝わり、この日を迎えることができたことに深い喜びを感じました。

食器類は消毒を欠かさずに準備していきます。
お釈迦さまへのお供え。

また、今回の法要のお花もたくさんの方々からお布施されたお花でお釈迦さまのまわりを飾ることができました!事前に精舎にお送りいただいたアレンジメントや、それぞれが持ち寄ってくださったお花の数々を、当日、本堂の飾りつけや、ブッタプージャ用に振り分け生けていきます。

ブッダプージャ用お供えとお花。
みなさまからお送りいただいたお花の数々。

毎回お花を花を生けさせていただいて感じるのは、毎回、事前にこれくらいの花を用意しよう、とか、種類はどうしよう、どんな飾りつけにしよう、などとそういった細かいことはまったく決めずに、『お布施されたい方は、花をお持ちください』と言っているだけなのに、とてもベストな量とお花の種類が集まって、飾りつけもブッタプージャもピッタリな状態で仕上がるということです。そんなみなさまが持ち寄ってくださったお花を見るたびに、今回、精舎に来ることが出来なかったたくさんの方々もご一緒にこの場にいるように感じられて、みんなでつくる法要は、本当にあたたかいなぁ、と嬉しさがこみ上げてきます。

また、本堂では、YouTube中継のために、撮影のセッティングが行われています。中継のためのマイク設備のセッティングや、大型のカメラ、照明の用意など、事務局の方と撮影専門のボランティアの方おふたりで、たくさんある配線を手際よく配置していき、滞りなく中継ができるようにマイクテスト、カメラテスト、照明のあたり具合などを準備されていきます。そのたくさん並べられた配線を間違いなくセットしていくその姿に、毎回すごいなぁと、感心するばかりです。

数台のカメラで撮影をしています。

◆法要

今回のカティナ衣法要には、ウィセッタ長老、スマナサーラ長老、シーバリ長老、デーワナンダ長老、ヤサ長老、ヘーマラタナ長老、の6名のお坊さまがいらっしゃって下さいました。法要は、11時ごろから始まりましたが、お坊さま方はその少し前には精舎にいらっしゃってくださいます。どのお坊さまも、精舎にいらっしゃって、本堂に行かれる前に準備をしているスタッフに、労いの言葉をかけてくださいます。そのお言葉に緊張感や疲れも一気に飛び、精舎内にふわっと喜びの空気が流れます。

お坊さまがいらっしゃった際にお茶をお出しするのですが、ゴータミ精舎には紅茶を淹れるのがとても上手なボランティアの方がいて、その方が、お坊さまがいらっしゃる時間を見測り、それに合わせお湯を沸かし、ベストな状態でお茶を出せるように待機されいます。おいしいお茶をお出ししたい、というその方の心に、毎回嬉しさを感じます。

さて、今回の準備はそんなみなさまの手際のよさから、法要の1時間前くらいには完了しました!

用意されたお茶のセット。

そしていよいよ法要です。

法要はスマナサーラ長老の読経により始まります。
今回はカティナ衣法要になりますので、衣をお坊さまへお布施します。いつもの法要でしたら、衣用の生地をお布施し、法要中に衣に仕立て上げていくのですが、今回は縮小のため、事前に縫い上げておいた衣をお布施します。

衣のお布施のあとに、お食事のお布施、物品のお布施を行います。
その後、スタッフの食事があり、休憩をはさんでスマナサーラ長老のご法話があり、読経で終了になります。

毎回、法要の段取りをある程度決めているのですが、たいていの場合は、その場その場で変更があり、臨機応変に対応していきます。状況に合わせた行動をその場で考え、皆で対応していくというのは、いろいろ勉強になることが多いなぁ、と毎回感じます。

*法要の様子は下記YouTubeをご覧ください*

雨安居明け「カティナ衣法要」お布施式 2020年11月8日

◆法要終了後

法要後は後片付けになります。

後片付けも、それぞれできることを手際よく行っていきます。食器類を洗う人、会場を片付ける人、掃除をする人、だれがどこの作業をやるということもなく、スムーズに短時間で行われていきました。また、ひとりで大きな作業をおこなっている人には、いつの間にか誰かが声をかけ、手伝い、また、それを誰かが助けて、というように、いつの間にか、ひとりでやっていたのにみんなで作業をおこない、あっという間に終わった!なんていうこともよくあります。

すべての作業がマスクをつけたまま、静かにとりおこなわれていったのですが、スタッフそれぞれが話をするのを極力控えて、できるだけアイコンタクトで動いていく滑らかな連携作業に、水が滞りなく流れていくようなそんな美しさを感じました。

そんな連携のなか、夕方には作業すべてを無事に終了することができました。

以上、カティナ衣法要の法要準備のお話をお届けいたしました!

この中には書ききれていませんが、この日のために見えない部分で準備段取りをして下さっている事務局の方々、ボランティアの方々がほかにもたくさんいらっしゃいます。派手な部分や目立つ部分だけでは、ものごとは成り立っていない、ということをいつも痛感させられます。目に見える部分、見えない部分、両方が柱となって、大きな物事も、小さな物事も、日常のあらゆる出来事も積みあがっていくのだなと、いうことと、自分もその一部分であるから、自分のなすべきことをしっかりとこなしていかなくてはならないなと感じ、今回も法要が無事におこなわれたことに深く感謝したいと思います。

次回は、カティナ衣法要に関するあれこれ、を掲載したいと思っております。

法要準備や、記事作成にご協力いただいた方々に心より感謝いたします。

生きとし生けるものが幸せでありますように。


お食事のお布施のご案内

●雨安居期間中、またそれ以外のときでも、お坊さまにお食事のお布施をすることができます!お布施の仕方については、下記記事をご参考くださいませ。

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