日本テーラワーダ仏教協会のウェーサーカ祭は、コロナ禍でネット開催が続いていましたが、今年は3年ぶりに一般参加で行います。
日程は、5月7日(土)ゴータミー精舎、8日(日)なかのZEROホールになります。
しばらく更新が止まっていたこのサイトでも、今後ウェーサーカ祭の最新情報などを掲載していく予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
皆さんとランタン作りをしました
4月3日(日)、ゴータミー精舎でウェーサーカ祭のためのランタン作りを行いました。
ボランティアグループのメーリングリストで参加者を募り、当日は朝から冷たい雨だったにもかかわらず、10人以上の方が参加してくださいました。
この日はリーダーのIさんが欠席で、他のメンバーだけでランタンを作れるか心配でしたが、ヘーマラタナ長老が指導してくださり、無事に進めることができました。
プラスチック製の骨組みに紙を貼り、ヒラヒラをつけていきます。
ヘーマラタナ長老の発案で、今年は5つのランタンにそれぞれ仏旗の5色を割り振り、ワンカラーコーデ?にしました。
自然に二人一組のグループに分かれて、それぞれが工夫した情報をシェアしながら、楽しく作業しました。
メーリングリストでこの日のことを知ったSさんが、手製の木枠を持ってきてくださいました。
軽量の木で作られており、角もしっかり決まっていて、まさに職人技といった感じです。
この木枠にはスリランカの方が真っ白な紙を貼ってくださり、玄関の両脇に飾ることにしました。
終盤は作業にも馴れてきて、余った骨組みと紫色の紙を使って6個目のランタンを作る余裕もでてきました。
ランタンの形の意味をお聞きしました
ランタン作りが終わった後、皆で本堂に集まって、ヘーマラナタ長老にランタンの形の意味をお聞きしました。
ヘーマラタナ長老のお話では、ランタンに8つある三角形が「八世間法」を表しているということでした。
「もらう(嬉しい)⇔なくなる(嫌な気持ち)」「褒められる(嬉しい)⇔叱られる(嫌な気持ち)」…など、ランタンも対になった4つのパーツになっています。
また「物事には最初さまざまな意味が込められるが、それが受け継がれていく間に意味がなくなり、儀式・形式だけが残る」というお話も印象的でした。
法輪の形の意味は?
仏教のシンボルとして用いられる法輪は「車輪」ですが、オリジナルの形態はスポークが24本あるものなのだそうです。
これはもともとアショーカ王を表す印でしたが、アショーカ王が仏教を護り広めたことで、仏教のシンボルになりました。
8本スポークの法輪は初転法輪を表していて、スポークの数は八正道に対応しています。
それから、最近は「舵輪」型の法輪もよく見かけますが、これはコンピュータで簡単に格好よく作れるからだろう、というお話でした。
船の舵のように棒の部分が輪から飛び出していては、車輪としての役目は果たせません。
ヘーマラタナ長老は、参加者から借りたコインを床に転がして、「法輪にはこのように、伝えたい相手のもとに、どこにでも転がっていけるという意味があります」というお話をされました。
実演しながらのお話は分かりやすく、「なるほど」と実感できました。
ご指導してくださったヘーマラタナ長老と、当日参加された皆様に感謝いたします。
お幸せでありますように。
4月7日追記
協会編集局長の佐藤哲朗さんから情報をいただきました。
現在スリランカの風物詩となっているウェーサーカ・ランタンは、日本で伝統的に用いられてきた切子お盆提灯(リンク先参照)が、明治時代の仏教徒交流歴史の中でスリランカ(当時の英領セイロン)伝えられ、ウェーサーカを荘厳するアイテムとして独自の発展を遂げたものです。
https://item.rakuten.co.jp/stardust-web/nok-04kik/渋谷利雄,高桑史子『スリランカ―人びとの暮らしを訪ねて』段々社,2003「I 信仰と祭り 2 ウェサック祭と日本の提灯」(P24〜)には、スリランカのウェーサーカ祭で日本のお盆灯篭がウェサック・クードゥワとして盛んに用いられるようになった経緯が載っています。
スリランカの仏教復興運動をオーガナイズしたヘンリー・スティール・オルコット大佐(神智学協会会長)とその助手だったダルマパーラ居士(ドン・デイヴィッド・ヘーワーウィターラナ)が1889年(明治22年)に初来日したことで、日本でも仏教リバイバルが盛り上がりました。
その流れで南北の仏教文化への関心が高まり、スリランカには日本のお盆灯篭がブッダを荘厳するアイテムとしてもたらされ、日本には世界仏教の連帯を表す仏旗(国際仏旗)がもたらされたのでした。
もともと日本にあったお盆の提灯というのは面白いですね。ありがとうございました。