5月13日(火)は満月の夜の開門で、精舎は21時まで開いていました。
さすがに、二日前にウェーサーカ法要があったばかりの日なので、あまり人は集まらず。
17:00までは、週末に予定されているウェーサーカ祭の準備で集まった方々が、頭を寄せ集めて相談したり、お配りするお菓子を袋詰めする作業をしたりしていました。


18:00にはお釈迦さまにお飲み物のお布施をいたしました。滞在されているチャラナ師も、プンナ師と共にご参加くださり、みんなで読経をしました。祝福のお経は「諸仏の教え」でした。
19:00から精舎3Fで行われたパティパダー・バックナンバー読書会には、チャラナ師とプンナ師、在家10人がご参加くださいました。初めてご参加のお二人も、すぐに打ち解けてみなで対話ができました。(写真を撮るのを忘れてしまって、すみません)
教材は2017年1月号の特別掲載ご法話、《脳開発と「祭り」~仏教のコミュニティ活動が目指すもの~》です。
内容を少しご紹介すると、
- 脳を開発するには一人で瞑想するだけではダメで、「社会活動をしなさい」という項目もあること。
- 在家にとって、ウェーサーカ祭やカティナ衣法要は、グループで行う社会活動の役割を担っていること。
- みんな平等で、自分にできる範囲で協力し、自分の利益のためではなく「みなの幸福のために」という目的で仲良く進む。
- 祭りに参加することによって、自己を肯定する気持ちが生まれる。「捨てたものじゃないな」と。
こんなくだりがありました。『ちょっと真剣に考えてみてください。たとえば、一人が何かお布施をする。テーラワーダ仏教のお祭りに千円を寄付したとして、「この千円はみなさまが寄付したものです。ですから功徳はみなさまにあります」という気持ちで寄付するのです。そういう気持ちで法事に参加するならば、人格向上に資する、自我の錯覚をなくす、脳科学者たちが言う脳開発に役立つ、コミュニティ活動が起きているのです。』
この文章に対して「これはなかなかできないなぁ」という意見や、「実際にこう思ってみると心が変わるのが分かる。どうしてだか分からないけど」という感想もありました。
プンナ師は「これはゴチャゴチャ理屈で考えるのではなくて、書いてある通りに実際にやってみて経験すると分かるものです」とご指導くださいました。
チャラナ師は、出家サンガのコミュニティに居ることがどんなものか、少しご紹介くださいました。お坊様が夕方に唱えるお経の中に、先輩の比丘に自分が今日積んだ功徳を廻向する、ということがあるそうです。功徳を分け合うという行為は仏教の世界にしかない素晴らしいことだと仰っていました。また、お祭り・法要はテーラワーダ仏教の世界を知らない方々の入り口としてはとても良いことで、ぜひみなさまお寺に来て、お祭りに参加して、お坊様や在家の方々と過ごすことによって良い影響を受けてください、と。
ウェーサーカ法要と次のウェーサーカ祭に挟まれた日程で、みなさまお疲れではと思っていましたが、お陰様で10人の参加者で楽しく学びを深めることができました。
次回の満月の夜の開門は6月11日(水)です。
どうぞよろしくお願いいたします。
☆追記☆
5月17日(土)日暮里サニーホールでのウェーサーカ祭を終えて、読書会で学んだことを振り返ってみました。
脳が開発されたのかどうかは分かりませんが、スタッフも参加者も、みんな誇らしげで喜びがありました。確かに「自分も捨てたものじゃないな。善いことができている。人の役にも立っている」そんな思いが生じました。スマナサーラ長老がよく仰いますが、仏教の組織にはリーダーがいないのです。それなのに、誰もがそれぞれに自分のやるべき仕事をしてみんなの利益のために動いていると、自然にすべてがスムーズに運んで結局はみんなが精神的な利益を得るのです。そんなダイナミズムを感じました。