曇りがちの日が続いていますが、さわやかな空気が心地よいですね。みなさま、いかがお過ごしでしょうか。
よく晴れた日には、「五月の朝の新緑と薫風は私の生活を貴族にする」という萩原朔太郎の言葉を思い出します。
「薫風(くんぷう)」とは、緑の草木を渡ってくる風のすがすがしさを讃えた初夏の季語。昔のご先祖さまって、超絶みずみずしい感覚をお持ちだったんだなぁと、しばし妄想にふけってしまいます。
作家といえば、ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari)さんが、著書『21 Lessons』の中で、ヴィパッサナー瞑想について書いていらっしゃるのをご存知でしょうか。
2000年に、親友の紹介をきっかけに初めてヴィパッサナー瞑想の講習を受講。以来、毎日2時間の実践を続け、毎年1~2か月ほど長い瞑想修行にも行かれるとのこと。「瞑想の実践が提供してくれる集中力と明晰さがなければ、『サピエンス全史』も『ホモ・デウス』も書けなかっただろう」とまで仰っています。
『21 Lessons』の最後の章で紹介されているのですが、章のタイトルも、そのものズバリ。
・日本語版 「21 瞑想 ―ひたすら観察せよ」
・英語版 「Chapter21:Meditation ―Just Observe」
個人的には、違った角度から瞑想の素晴らしさと向き合えたような気がして、この章だけでも一読の価値アリと感じました。
そして、瞑想といえば…
と、半ば強引に流れを作りつつ(笑)、今回は、直近でアップされたスマナサーラ長老の動画のうち、ヴィパッサナー瞑想入門の法話をご紹介申し上げたいと存じます。
入門法話は全部で10本ありますので、3回に分けてご紹介。ピヨピヨ仏教徒による“寄り道コメント”も添えさせていただきましたので、楽しくお付き合いいただけたら幸いです。
1:三帰依・五戒・懴悔/慈悲の瞑想/補足Q&A|スマナサーラ長老のヴィパッサナー瞑想入門①
三帰依、五戒、懴悔、慈悲の瞑想を、スマナサーラ長老が一気に唱えられます。
字幕では、パーリ語のほか、その読み方と意味が日本語で表示され、これから仏教を勉強したいという方にもおすすめ。最後の2分弱という短い時間ですが、「補足Q&A」は必聴です!
ちなみに、長老による誦経は、『ブッダの日常読誦経典[完全版CD Book]』にも収録されています。
経典本は、文庫本よりちょっと大きいくらいのコンパクトサイズ。薄いので持ち歩きにも便利です。
2:実況中継の理論|スマナサーラ長老のヴィパッサナー瞑想入門②
スマナサーラ長老は、「ヴィパッサナー瞑想イコール、実況中継です」と明言された後、なぜ実況中継が瞑想になるのか?について説かれます。
11分25秒の間、難しい単語が一つも出てきません(←ここに感動)。
お話も端的で、頭にスッと入ってきます(←また感動)。
3:Lesson1 ものを動かして元に戻す瞑想|スマナサーラ長老のヴィパッサナー瞑想入門③
ここから、基本的な瞑想のレッスンに入っていきます。
レッスンを見れば、「みなさまにも自分でいろいろ瞑想の仕方を発明できます」とお話されるスマナサーラ長老。
さっそく、再生&実践スタートです!
4:Lesson2 棚のものを取って戻す瞑想/ティッシュを折る瞑想|スマナサーラ長老のヴィパッサナー瞑想入門④
前半は、棚のものを取って戻す瞑想。後半は、付属の実践として、ティッシュを折る瞑想をご教示くださいます。
後半の瞑想については、「落ち着きの力があまりない方々にすごく必要なことだと思います」とのことで、思わずグサッ(汗)。さっそくティッシュを手に取ったピヨピヨ仏教徒でした。
ご参考:『観察――「生きる」という謎を解く鍵』発売記念動画―アルボムッレ・スマナサーラ長老×想田和弘監督〔導入編〕
入門法話から、ちょっと寄り道。
この動画には、想田和弘監督が、長老の目の前で「紙を折る瞑想」「その折った紙を動かして元に戻す瞑想」を実践される様子が収められています。
その中で、長老が、Lesson2(瞑想入門④)にあった「ティッシュを折る瞑想」「本棚から本を取って元に戻す瞑想」についてもお話されていますので、合わせてご覧いただくとよいかもしれません。ご参考まで。
その2に続きます!